最近、年明けに視察に行く予定のフィンランドのことを勉強している。
フィンランドは、勉強すればするほど面白い。
・女性進出が進むLGBTQの先進国
・再生エネルギー(バイオマスや風力)と原子力発電による脱炭素エネルギー政策
・世界第一位の幸福度
などなど、フィンランドの魅力は様々な指標に現れる。

さらに、北欧全体を見るとフィンランドのWoltやスウェーデンのSpotifyなど、スタートアップの起業が盛んな地でもある。
世界最大級のスタートアップイベント「Slush」もフィンランドで開催される。
福祉国家で無償で高等教育や医療が受けられるほか、失業対策も手厚く、安心してリスクを取って起業できる環境があり、失敗しても起業経験を高く評価する文化もあるという。
高負担・高福祉の福祉国家では競争意識が働かないのではないかと勝手に想像していたが、むしろ利益優先ではなく社会的な課題解決に取り組む「インパクト・スタートアップ」の比率が高いのも北欧の特徴だという。 

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しかも国政選挙などの投票率が70〜80%と高く、政府に対する信頼も厚いという。
「なぜ税金や社会保障費などの国民負担率が60%や70%という高負担(日本は40%程度)を国民が許容するのか?」という我々の問いに対して、北欧出身者や北欧在住経験者は(私見と断りながら)以下のような背景があるのではと教えてくれた。
・ 自然環境が厳しく、安定した状況が続くとは限らないために国がセーフティネットを用意する必要
・ 歴史的にロシアから脅威を受けることが多く、その危機意識が国民の結束と政府への期待につながっている

なるほど。 
その国の風土や歴史に応じて、国のあり方や国民性が変わってくるということか。
そして、これまで日本人が北欧のような強い危機感を感じることなく暮らしてこれたのは、むしろ幸せなことなのかもしれないと思った。

そういえば、今週意見交換した3人の日本人の大学生は、「住みたい国は?」という僕の質問に対して、一人が「福祉国家で多様性を大事にする北欧諸国」と答え、残りの2人は「平和で安全な日本に住み続けたい」と答えていたことを思い出した。
わが国のこの幸せな状況は当たり前のことでないことを自覚し、 これからもしっかりと守っていかなければいけないと、改めて思った。