昨日、地元の不動産業者の記念式典(注)に招待され、祝辞を述べる機会をいただいた。
その際に以下のように、地域における不動産業の重要性を述べさせていただいた。
(注)公益社団法人全日本不動産協会青森本部創設60周年、および公益社団法人不動産保証協会青森本部創設50周年

<以下、記念祝賀会での祝辞から>

金融や経済の世界には仲介業という業種があり、それぞれ重要な役割を果たしている。
例えば銀行はお金を仲介し、証券会社は株式や債券などの証券を仲介している。
卸売や小売も見方によっては生産者と消費者をつなぐ仲介業と捉えることもできる。
それぞれの仲介業が、需要者と供給者を結びつけて、経済や金融の効率性を高めている。
そして、不動産業ももちろん、不動産売買における仲介業である。

しかし不動産業は、他の仲介業よりも難易度が高いと思われる。
そもそも不動産は土地に紐づいた一点ものである。
取引はそれほど頻繁ではなく、価格も高額になることが多い。
つまり、不動産売買の対象となる土地の価格について、売り手と買い手には必ずしも共通の材料があるわけではなく、価格も高いだけに本来ならなかなか折り合うことが難しい。
経済の専門用語で言えば、不動産取引には「情報の非対称性」があると言える。
この「情報の非対称性」を解決して、取引を成立させるのは、不動産を仲介する業者の「信頼」である。
売り手と買い手の双方に納得のいく価格を提示して売買を成立させる。
そのようにして50年以上、この地域で信頼を得て、不動産売買を仲介してきたことになる。
このことに対して、私の立場からも敬意を表させていただきたい。

今後、少子高齢化が進み、リモート勤務の拡大やコンパクトシティへの転換など、市街地の機能が見直されたり、人々の暮らしぶりが変化したりすれば、そこに更なる不動産の取引が生まれる。
地域の発展に関して、不動産仲介業の重要性はますます高まっていくだろう。 
今後も、青森県の発展のために、この地域の不動産業と事業者の発展をお祈りしたい。 

(写真は車窓から見た八甲田の夕暮れです、ブログの内容とは無関係ですね)
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