今日の為替レートは、一時145円近くまで円高に振れる場面があり、現在(10月28日の朝5時)も146円20銭ほどで推移している。
1週間ほど前の10月21日の深夜には、一時152円近くまで円安に振れていたことを考えると、かなり円高に戻している。
もちろんこの間、政府・日銀は10月21日の深夜と24日にも円買い介入を実施したと言われているが、 その後もすぐに150円近い水準に戻っていたことを考えると、この二日間くらいで、これまで一辺倒に円安方向に振れていた流れが変わり、今後は少し円高方向に戻っていく可能性がある。
(写真は「外為どっとコム」のウェブページより)

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今回の背景には、アメリカの景気や住宅市場関連の指標が悪化したことから、FRBが利上げのペースを緩めるのではないか、といった観測があるとの報道がみられる。
これまでFRBは、かなり速いペースで利上げを続けてきたことから、いつかはアメリカの景気も頭打ちになり、一辺倒に円安方向に振れる流れはどこかのタイミングで修正されるだろうと考えてきた。
私が思っていたよりも少しタイミングは早いが、もしかしたらこの数日で、円安一辺倒から若干円高に戻す方向に潮目が変わってきている可能性がある。

そもそも政府・日銀は、為替相場は経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)を反映しており、特定の水準を目指すものではないというスタンスだ。
もちろん、急激な円安も急激な円高も望んでいない。 
それは、円安に振れることでメリットを受ける分野もあれば、円安でデメリットを受ける分野もあるからであり、円高も同じである。 
ただし今回は、
・今年の3月に115円程度だったレートが、半年間で150円を超える、急激な変化になったこと
・明らかに経済のファンダメンタルズを越えた投機的な動きが見られること
などから、円安を修正する為替介入に踏み切ったと言われている。

今後しばらくは様子見となるだろうが、方向としては米景気が減速する可能性が高いことを踏まえると、この先数ヶ月は、円安を修正する方向(円高方向)に向かう可能性が高いのではないか。
(上記の内容は私個人の考えであり、政府や日銀の見解を示すものではありません)